領収書の発行の際に、「宛名は空欄でお願いします」「上様と書いて下さい」と言われたことがある人、意外に多いのではないでしょうか?
また店舗側も慣例として「上様」と省略したり、宛名書きを面倒に感じて空白で領収書を発行する人もいますが、これは本当に問題ないのでしょうか?
ここでは領収書の宛名の書き方についてご説明します。実際に領収書の宛名を空白で渡した場合どうなるのか、
またお客様から宛名書きを拒否された場合はどう対応すべきかなども見ていくので、ぜひ参考にして下さいね。
領収書の宛名は「上様」や空白でも問題ない?
お客様から求められて、領収書の宛名を「上様」や空白で渡すこともあれば、店舗側が最初から空白で領収書を発行するケースもあります。
どちらにしても、領収書にきちんと宛名書きがされていない場合、それだけで領収書が無効になることはありません。
ただ、最近は会社の規定が厳しくなっており、誰が支払ったのか明確にするためにも「上様」や空白では領収書として受け付けないところもあります。
たとえ社内経費として通ったとしても、税務調査では疑われる材料になり、最悪経費計上できない可能性もあります。
会社の信用問題にもなりかねないので、領収書の宛名書きは正式名称で記入することです。
また領収書を発行する側の店舗は、忙しくてもきちんと宛名書きをするようにしましょう。
空白の領収書を発行した場合、悪用される可能性もあります。
宛名なしの領収書を発行するのは罪になる?
実際に宛名が「上様」や空白の領収書を発行した場合、発行した店舗側は罪になるのか、違法性があるのか心配になりますね。
結論からいうと、特定の業種に限っては宛名なし、空欄でも問題ないと消費税法で決まっています。
その特定の業種とは、「小売業」「飲食店業」「写真業」「旅行業」「タクシー業」、「駐車場業」等です。
とはいえ、やはり領収書を発行する側としてはきちんと宛名を聞いて書くようにしましょう。
無記名や「上様」の領収書を大量に発行していると、税務署から調査に入られる可能性もあります。
自分たちに悪意がなくても、最悪「脱税ほう助」という罪に問われるリスクも高くなるので、領収書の宛名書きは慎重にすべきです。
宛名の記入を拒否する顧客への対応方法とは
店舗側がきちんと領収書の宛名を書こうとしても、顧客側から「宛名は空白でないと困る」「上様にしてほしい!」と拒否されるケースもあります。
そのような場合、店舗側としてはどのように対応すべきでしょうか?
まず第一としては、「宛名が無記名の領収書は発行できない」と説明することです。
宛名が特定できない領収書を発行することで、お客様だけでなく、自分たちも税務署の調査対象になるリスクがあるなど説明します。
それでも納得頂けない場合は、「複写式の領収書を使用しており、宛名が空欄の発行記録が残るので経理監査の都合上できない」と言います。
一般的に使用される領収書は複写式のものなので、相手に渡すだけでなく自社の管理用としても記録が残ります。
そのため、あくまでも「こちらにもリスクがある」「証拠が残る」ということを強調するしかありません。
一度顧客の希望通り無記名の領収書を発行すると、「あそこは無記名の領収書を出してくれる」という噂にもなりかねません。
その場しのぎの対応は危険です。
社会人であればどんな業種の人でも、領収書をやり取りするシーンが出てきます。
特に頻繁に領収書を発行する販売業や飲食店業の人は、領収書の書き方に注意が必要です。
領収書の宛名の書き方次第で、自分たちも様々なリスクが高くなること、社会的信用問題になることを肝に銘じておきましょう。
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